『カメラを止めるな!』感想 - こういうのでいいんだよ、こういうので

もう話題になりつくした感のある映画『カメラを止めるな!』ですが、とうとう見ることができました。

 

f:id:otoko135:20180922230521p:plain

カメラを止めるな!』公式サイトより

<注意>この記事はネタバレがあります。

僕自身はネタバレ有りでも結構楽しめるほうなんですが、この映画に関してはネタバレを見なかったからこそ楽しめた部分が多いので未見の方はぜひインプットの少ない状態で映画を楽しむことをお勧めします

 

 

あの指原・歌丸が褒めただの面白いだの面白くないだの実は権利侵害だの言われており気になっていた映画がとうとう近所のMOVIXで公開したので遅ればせながら見てきた

 

結果として、とても面白かった

 

この映画は劇中劇と一種の職種系ドラマとドタバタコメディが合わさった映画で30~40分程度のゾンビ映画(劇中劇)+映画の企画の裏側(映像監督としてのドラマ)+実際の撮影(生放送の舞台裏)という構成になっている

 

こうして文章にしてしまうと陳腐に感じるかもしれないが、構成と編集と脚本が小気味よい出来になっているので実際に見たほうが楽しい映画になっている

 

前半部分を占めるゾンビ映画パートは割と問答無用でつまらない

演技も脚本も演出もレベルが低い、面白いB級・C級映画にありがちな飛びぬけた外連味も無し

正直、前情報なしで言ってきた僕は途中退場しようかと思った

 

しかしこのレベルの低さの中にいくつかの違和感がある

例えば

  • 下手な演技の中に、変な演技と、変な迫真の演技がある
  • 下手なカメラワークの中に、変なカメラワークがある
  • 下手な前振りの中に、回収されない前振りがある

といったような

 

実はこの下手さ、変さは計算されたものであり伏線となり後半の舞台裏パートで怒涛の回収をされることになる

その伏線回収に対しても、企画パートから丁寧な前振りを行っており伏線回収にある種のカタルシスを得ることができる

 

この映画の面白さの9割は伏線回収による後味の良さであった

 

ただ巷で言われているように褒められすぎではないかという印象も受けたのは確かである。もちろんそれは映画本編の価値とは何ら関係ないし、この映画に1800円の価値があることは間違いない。

 

何というか、この映画を見た後の感想は「とんでもないものを見たぞ!世紀の傑作だ!」というものよりも

 

f:id:otoko135:20180922233140j:plain

こういう感じ

 

すごくまっとうに楽しめたのであんまり世間を騒がせてしまうと下手なハードルが上がってしまい、この映画を見る人を逆にガッカリさせてしまうのではないだろうかな

 

怖さも笑いも物語も、楽しいの範疇に入りきった、すごく真っ当なエンタメ映画でした。

 

ps.権利関係に関しては弁護士の方がブログかなんかに書いてましたね。それも併せて見ると面白いかも

 

kametome.net